世界的な人口増加とスマートフォンの普及、新型コロナウイルスによる渡航制限の影響により、越境EC(電子商取引)の市場規模が拡大しています。経済産業書の報告(※1)によると、2021年の日本・米国・中国 3 ヵ国間の越境 EC 市場規模推計において、日本の総市場規模は3,727億円であり、販売額が購入額を大きく上回る結果となりました。
なかでも中国は日本の商品を2兆1,382億円購入しており、前年と比較して9.7%の増加です。ここでは越境ECの利用が活発な中国に参入するために欠かせない、「中華圏SNS」の必要な知識と対策について解説します。
※1 経済産業省「令和3年度 電子商取引に関する市場調査報告書」
中国のSNS種類と利用者数、日本のサービスだと何に似ているか解説
中国で主に利用されているSNSは以下の6つです。それぞれの特徴について解説します。
①Weibo(微博)
拡散性が高く、日本だとTwitterに似た特徴を持つSNSです。2021年9月時点の月間ユーザー数は5億人(※2)。テキストや画像、動画、ライブ、ストーリーで発信することができます。特徴的な機能は「タイムライン・ハッシュタグ・発見(動画視聴)」です。
②WeChat(微信)
中国本土だけでなく、中華圏の人々に広く利用されているのが特徴です。友人・知人とのチャットはもちろん、タイムラインでのコミュニケーションが可能。さらに電子決済やEC機能なども備わっています。比較的LINEに近い使われ方をしていますが、ボイスメッセージでのやりとりが主流です。2020年10月時点の月間ユーザー数は10億人(※3)です。
③RED(小紅書)
中国版Instagramといわれています。「商品のレビューやお店の口コミ」を調べたり、発信したりするために利用するケースが多いです。その他、特徴的な機能としてタイムライン、ニュース、ECがあります。2021年9月時点の月間ユーザー数は1億人(※2)です。
④TikTok(抖音)
日本で馴染みのあるTikTokの本家アプリです。2021年9月時点の月間ユーザー数は6億人(※2)。ショート動画以外にライブ配信が可能です。特徴的な機能はタイムライン、ニュースです。
⑤Kuaishou(快手)
抖音と同じショート動画のアプリですが、支持されているユーザーに違いがあります。都心部のユーザーに利用されている抖音に対して、快手は都市部から少し離れた農村部や地方に住んでいる方に人気なのが特徴です。機能は抖音と同じタイムライン、ニュース。2021年9月時点の月間ユーザー数は5億人(※2)です。
⑥bilibili(哔哩哔哩)
主にアニメやゲーム、美容などのコンテンツが多く投稿されている動画サービスです。Z世代の若いユーザーが利用しており、2021年9月時点の月間ユーザー数は2億人(※2)です。特徴的な機能はタイムライン、チャンネル、ECです。
※2 enjoy Japan「中国SNS別ユーザー特徴・推移まとめ」
※3 PRTIMES「中国の10大SNSのユーザー数と利用実態を徹底調査」
参入障壁は高め、独自で中華圏SNSを展開する「」
中国は越境ECの利用者数世界第1位(※4)といわれており、ECサイトを運営している企業なら迷わず参入したいところ。ですが、国外の企業にとって、中国への参入はハードルが高めだといえます。その理由は、中国本土におけるネット検閲システム「グレート・ファイアウォール」により、世界で一般的に利用されているTwitterやInstagramなどのSNSを使用することができない点にあります。
新規リーチを獲得するためには、中華圏SNSを1から運用しなければなりません。さらに、中国ネットユーザーの特徴と嗜好を理解し、「現地の言葉」で質の高い投稿をすることが必要不可欠です。
時には、中国人インフルエンサー(以下、KOL)を起用する場合もあるでしょう。中国マーケティングにおけるKOL広告は「KOL×LIVE」形式のプロモーションが非常に伸びており(※5)、ユーザーは「KOLが動画で紹介した商品を購入する」という流れが定着しています。
KOLへの交渉や新規リーチに繋げるためにも、現地語を扱える人材の確保やサイトの整備は必須です。もし、言語面でお悩みの方は、WorldShopping BIZを利用してみてはいかがでしょうか。
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※4 経済産業省「平成30年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)報告書」
※5 中国マーケティングラボ「月間5億人が利用する中国最大級SNS”Weibo/微博”最新事例【セミナーレポート/資料無料ダウンロード可】」
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国内市場が縮小する中、越境ECの運用は今後さらに重要となります。参入の有無は会社の業績にも大きく関わってくるでしょう。中国は独自のインターネット環境があるため、参入しやすい市場環境とはいえませんが、越境ECの利用が活発なため多くのメリットがあります。
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