越境EC事業の展開先として高い人気を誇る世界最大のEC市場といえば、中国を思い浮かべるのではないでしょうか。
2022年8月に発表された経済産業省の「令和3年度 電子商取引に関する市場調査 報告書」(※1)によると、2021年時点で中国のEC市場規模は2兆4,886億米ドル(348兆4040億円、1米ドル=140円換算)となっています。越境ECについても、2021年の市場規模は1773億米ドル(24兆8220億円、同)で、2023年には2209億米ドル(30兆9260億円、同)に成長すると予測されています。
同調査によると、中国国内の越境 EC 利用者の商品の見つけ方は、アイテムの特徴やブランド名で検索し、商品を探す「アイテム/ブランドの検索」が6割を占めてトップでした。検索エンジンをどのように利用するかが、中国進出の成功の鍵を握るといっても過言ではありません。ここでは中国最大手の検索エンジン「Baidu(百度)」について説明していきます。
※1 経済産業省「令和3年度 電子商取引に関する市場調査 報告書」
https://www.meti.go.jp/press/2022/08/20220812005/20220812005-h.pdf
Baidu (百度)とは
百度は月間ユーザーが8億人以上、1日の平均検索回数が100憶回(2017年調べ)という、中国最大手の検索エンジンです(※2)。2000年に創設され、「中国のGoogle」とも呼ばれており、中国語を中心とした全文検索に優れています。
Googleなどと同じように、単純化されたインターフェースによるWeb検索をサービスの中核としています。その上で、掲示板アプリの「百度贴吧」やクラウドサービスのほか、MP3による音声・動画ファイルの検索、Q&A型の知識提供サイト「百度知道」や、百科辞典である「百度百科」、地図検索の「百度地図」など、多彩な機能が提供されていることが特徴です。中国の検索エンジンで8割以上のシェア(2022年3月)を誇るといわれています(※3)。
※2 Info Cubic「中国最大級検索エンジン「Baidu(百度/バイドゥ)」とは?」
※3 同上 「中国・主要検索エンジン【2022】」
Baidu(百度)の影響力と、広告メニューの内容
中国政府が情報規制をしているため、中国国内から海外のネットワークに接続することにはハードルがあります。GoogleやYahoo!といった世界的にメジャーな検索エンジンの利用は難しいのが現状です。そのため、中国への越境EC進出が成功するかどうかは、人々が情報収集手段として日常的に利用する百度で、どのような施策を打てるかにも左右されます。
百度には4つの広告メニューがあり、用途によって使い分けられます。それぞれの特徴を見ていきましょう(※4)。
①リスティング広告
百度でも利用者の検索結果にあわせて広告を表示する「検索連動型広告」です。例えば、利用者が、「日本のコスメ・化粧品」と検索すると、検索結果のページには関連したサイトの広告が表示されます。利用者が広告をクリックするとクリック課金が発生し、広告主のURLリンクへ誘導されることになります。Googleなどと同様のサービスですが、Googleではテキスト主体の広告が一般的なところ、百度の場合は画像や動画などテキスト以外の表現も可能なため、より印象的な広告を出稿できます。
②アドネットワーク広告
百度が運営している複数のWEB媒体に一括でバナーや文章などでの広告配信ができるというものです。幅広い年代や客層にアピールできることがメリットです。
③インフィード広告
webサイトやアプリなどのコンテンツとコンテンツの間に挟んで表示される形式の広告です。検索アプリの「手机百度」、掲示板アプリの「百度贴吧」、モバイルブラウザの「百度浏览器(Baidu Browser)に出稿が可能です。とくに「百度贴吧」はSNSとしての利用も盛んで、消費者への訴求効果は高いでしょう。
④ブランドリンク広告
企業名やブランド名などを検索した利用者の検索結果画面のファーストビューを占有する期間保証型の広告です。競合他社のリスティング広告を押し下げることが可能となっています。
※4 百度japan「百度広告サイト」
中華圏デジタルマーケティングの特殊事情を汲みつつ、訴求効果を高めるには
先述のように中国にはインターネットやSNSアプリの利用規制があります。香港・マカオ・台湾を除いた中国本土におけるネット検閲システムで、「グレート・ファイアウォール」もしくは「金盾(きんじゅん)」と呼ばれるものです。
SNSやWebサイト、政府に対する批判的な意見やニュース、アダルトサイトなどが規制対象で、テキストだけでなく、画像や動画なども含め、細部にわたり言論や情報の検閲が行われています。
日本企業が中華圏SNSを使う場合、それらの特殊な事情への配慮に欠けていればトラブルとなる可能性もあります。
一方、日本企業は広大な市場を持つ中国の人々から、安全や信頼性に裏打ちされたサービスや商品力を期待されています。とくに消費力の高さが際立っているのは、「Z世代」と呼ばれる1995年生まれ以降の若い層です。若者を中心にSNSの利用者が爆発的に伸びていることから、中国国内におけるサービスや商品のアピールにはSNSを使ったWEB・デジタルマーケティングの活用が必要不可欠です。
Baidu(百度)を上手く使えば、これまで届かなかった客層へリーチすることも可能になるでしょう。
Baidu(百度)を利用し、効果的な中国への越境EC進出を!
越境EC事業の発展を目指すなかで、調べれば調べるほど特殊な事情を抱える中国への販路構築の難しさを感じていらっしゃる方は多いのではないでしょうか。「始めたいけど、コスト面の問題から始められない」という方には、WorldShopping BIZのサービスの利用がおすすめです。
サービス利用の際は自社のECサイトにタグを一行埋め込むだけで、海外ユーザーに対応できます。梱包・検品・配送といった業務も代行。個別の売上手数料や海外送料は一切かからず、月額の費用をお支払いいただくだけで中国への越境EC展開が可能になります。
中国の越境EC市場に参入をお考えの方は、ぜひWorldShopping BIZの導入をご検討ください。
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