越境ECは、ネットを通じて海外商品を購入できる仕組みです。近年、越境ECは販路拡大の一手として注目を浴びており、越境ECへの参入を考える国内の事業者が増えています。しかし、参入時に障壁となりがちなのが決済手段です。
海外では、国によって主要な決済方法が異なります。海外ユーザーが商品を購入したくても「自分のよく使っている決済方法がない」という理由で、購入を断念するケースも多々あります。
今回は、海外の消費者に適した決済方法を紹介するとともに、市場規模の大きい米国と中国でよく使われている決済方法についても解説します。
参考:越境ECとは|今すぐ始めるべき理由と可能性について解説
越境ECで用意すべき決済手段にはどんなものを用意すべきなのでしょうか。
それは、ターゲットとする対象国の主要な決済手段を用意することが重要です。例えばクレジットカードの保有率が低い国がターゲットであれば、別の決済手段を用意しなければなりません。ここからは、越境ECでよく使われる決済手段をご紹介します。
クレジットカードは、国を問わず利用者が多い決済方法です。決済処理が早いため、料金が未回収になるリスクも低いのが特徴です。越境ECを展開する場合は欠かせない決済方法だといえます。ただし、海外発行のクレジットカードの場合不正決済などで支払いが取り消されるチャージバックのリスクもあります。
第三者支払いサービスとは、消費者とEC運営者の間に決済事業者が入り、決済するサービスのことです。利用者はクレジットカード情報を直接ECサイト運営者に渡さずに済むため、安心して決済が可能です。日本では利用される機会が少ないサービスですが、海外ではよく利用されています。世界的に利用者の多い第三者決済サービスとしてはPayPalが有名です。
PayPalは、世界に3億5,000万人以上のユーザー(2021年1月時点)がいます。海外のクレジットカードにも対応しているのが大きな特徴です。
デビットカードは、決済すると即座に銀行口座から料金が引き落とされる決済サービスです。日本では今のところそれほど普及していませんが、国によっては利用者が多い場合もあります。
画像引用:デビットカードは日本のキャッシュレスの切り札になるか?
Visaの調査では、世界における2019年のVisa取扱高の45%はVisaデビット、55%がVisaクレジットでしたが、2021年にはVisaデビットが52%、48%がVisaクレジットと、デビットカードのほうが取扱高が増えているというデータがあります。対象国次第では、導入しておきたい決済方法です。
電子マネーは、デジタル化された決済方法のこと。現金やクレジットカードを使ってお金をチャージする「プリペイド式」と、決済した後、銀行口座などからお金が引き落とされる「ポストペイ式」があります。日本ではよく使われますが、あまり利用されていない国もあります。
口座振込は、自分の銀行口座から指定された口座に料金を振り込む決済方法です。
ネットバンキングでは、口座振込をネット上で行うことができます。日本ではポピュラーな口座振込ですが、中国でよく選択される決済手段です。対象とする国に応じて検討しましょう。
代金引換は、商品が手元に届いたタイミングで料金を支払う決済方法。海外での利用率は高くありませんが、クレジットカードが普及していない国などでは欠かせない決済方法です。中国でよく使われている決済手段です。
参考:日本貿易振興機構 中国の越境 EC(https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/special/2017/12/a93c240657c03189.html)
国内のデータになりますが、後払い決済サービスのPaidyが発表した調査レポートによると、希望する決済方法がなかったときの行動として、「オンラインショッピングでの購入自体をやめる(16.3%)」「他のサイトで購入する(55.4%)」というデータがあります。
他にも、ジャックス・ペイメント・ソリューションズが実施したオンラインショッピングの決済に関する調査レポートでも、同様の結果が出ています。「買い物をやめる(20.2%)」「別のサイトで購入する(43.2%)」と6割を超える人が、離脱してしまうという結果になっています。
画像引用:ジャックス・ペイメント・ソリューションズが実施したオンラインショッピングの決済に関する調査レポート
オンラインショッピングにおいて、決済手段を豊富に用意しているというのは、売上に直結する重要なポイントであることが分かります。
まず、中国について見ていきましょう。中国のドメインレジストリ管理を行う中国互聯網絡信息中心の調査によると、よく使われる決済手段として以下の順になっているようです。
出典:中国互聯網絡信息中心「2014年中国ネットショッピング市場研究報告」
中国の越境ECにおける支払い方法として最も多いのは「第三者決済(82.9%)」、次いで「ネットバンキング(クレジットカード、デビットカード)(65.3%)」でした。
第三者決済としてよく使われているものとしては、アリペイ(Alipay/支付宝)やWeChat Pay(微信支付)が挙げられます。
クレジットカードでよく使われているのは「銀聯(ぎんれん)カード」です。「銀聯(ぎんれん)カード」は、2020年8月時点で80億枚以上発行されているカードで、デビットカードの機能がついています。中国を対象に越境ECを展開する際は導入しておきたい決済サービスです。
一方、米国の場合は、どんな決済方法がよく使われているでしょうか。経済産業省の調査(※2)によると、2015年の時点でEC上の決済手段としてよく使われているのは「クレジットカード(43%)」「デビットカード(30%)」「ペイパル(14%)」でした。米国を対象とした越境ECでは、上記の決済サービスを備えておくことが欠かせないでしょう。
参考:【海外決済対応のすすめ】アメリカでよく使われる決済手段
WorldShopping BIZでは、海外でよく使用されるクレジットカード会社「VISA」「Master」「American Express」の決済に対応しています。
また、Amazonのアカウントを持っていればAmazon以外のサイトでも買い物が可能な「Amazon Pay」の決済も対応可。中国でポピュラーな「Alipay」「銀聯カード」にも対応しており、世界に3億5,000万人以上のユーザー(2021年1月時点)を持つ「PayPal」にも対応しています。他にもアントグループが展開する「Alipay+」にも対応しており、香港、マレーシア、フィリピン、韓国、タイ、インドネシアなどアジアの市場で使われている決済手段が導入済みです。
参考:越境EC支援のジグザグ、決済機能に「Alipay+」を導入 ウェブインバウンド®︎消費が拡大するアジア圏ユーザーの購入体験を向上
対象国の消費者がよく使う決済方法が用意されていなければ、商品がいくら良くても購入を断念する可能性は大いにあります。越境ECに参入する際は、対象国の主な決済手段を調べ、対応しましょう。
WorldShopping BIZでは、専用タグを設置するだけでサイトを越境EC対応化するサービスを提供しています。「VISA」「Master」「American Express」などの海外クレジットカードはもちろんのこと、中国でポピュラーな「Alipay」「銀聯カード」、世界的に普及している第三者決済サービス「PayPal」での決済も可能となります。そのほか、「Amazon Pay」での決済も対応可能です。越境ECの参入を考えられている事業者の方は、ぜひ導入をご検討ください。
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