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【2023年版】中国向け越境ECの特徴と手法を解説

2021.10.20 /
ウェブインバウンド

スマートフォンが普及し、インターネットがより利用しやすくなったことから越境ECの市場規模が世界的に拡大しています。経済産業省の調査報告(※1)によると、国別の越境EC利用者数世界1位は中国で、7千万人の消費者が越境ECを利用していることがわかっています。人口の多さも利用者数の多さに関係していますが、なぜこれほどまでに中国の人々が越境ECに魅力を感じているのでしょうか。本記事では、中国で越境ECのニーズが高まっている理由について解説します。

 

中国の越境ECの市場規模について

中国では、夫婦は共働きが一般的でインターネットを通じて商品を購入することがライフスタイルとして定着しています。そのため中国国内のEC市場規模は右肩上がりで増加しています。生活レベルもそれに伴い向上し、海外への旅行客が大きく伸びています。現地で商品を見て使って気に入った人が、手軽にその国の商品を購入できるということで、中国の越境(BtoC)EC市場の規模も年々拡大傾向にあります。

 

画像出典:経済産業省「令和3年度 電子商取引に関する市場調査 報告書」

 

経済産業省が公表している「令和3年度 電子商取引に関する市場調査 報告書」によると、中国の越境EC市場規模(中国の消費者が日米から商品を購入した合計金額)は2019年1,264億USドル、2020年1,511億USドル、2021年1,773億USドル、2022年2,051億USドル、2023年には2,209億USドルと予測されています。

 

 

さらに、経産省が公表している「日本・アメリカ・中国 3 ヵ国間の越境 EC 市場規模」によると、2020年の中国の越境EC市場規模(3カ国間における総市場規模)は4兆7,165億円にまで拡大していたことがわかりました。。

 

2020年に中国の消費者が日本から購入した金額の合計は2兆1,381億円でした。この数字からも、中国の越境EC市場の大きさがよくわかります。中国の越境EC市場は、今後さらなる拡大を続けていくことが予想されるのです。​​

 

中国人の越境ECのニーズが高まっている主な理由

 

中国で越境ECが拡大している理由は大きく2つあります。

 

まずは、インターネットとスマートフォンの普及率の高さです。中国のインターネット情報センター(※3)によると、2021年6月時点でインターネットの利用者数は10億1,074万人に達しており、インターネットの普及率は71.6%でした。そのうち、スマートフォンなどのモバイル端末を使ってインターネットを利用しているユーザーは10億700万人で、ほとんどの中国人がスマートフォンを使ってインターネットを利用していることがわかります。いつでもどこでもインターネットを利用できる環境にいることで、越境ECが利用しやすいと考えられます。

 

2つ目の理由は、クオリティーの高い海外製品に対する購買意欲の高さです。経済産業省のアンケート調査(※1)によると、「中国人が越境ECで日本から商品を購入する際に重視する項目」として最も多かった回答は「品質(69.6%)」でした。品質の高い海外製品を求めて越境ECを利用している中国人が増えていることがわかります。

 

 

訪日中国人観光客が増えると越境ECのニーズが高まる

コロナの影響を受けてから、日本へ来る訪日中国人観光客は大きく減少しましたが、2018年のコロナ前に観光庁が調査したデータによると、多くの中国人は日本観光で商品を知った後、帰国してからも日本の商品を越境ECで買っていることが分かっています。

 

  

赤い線が自身が訪日して、良かったから越境ECで商品を購入したという数字。黄色い線が、訪日観光した友人知人からの口コミで日本の商品を越境ECで購入したという数字。中国人の場合6割近い人が、訪日きっかけで越境ECで日本の商品を購入していることが分かります。

 

2023年は訪日中国人観光客復活の年と呼ばれています。越境ECにおいて大きなトレンドが来る年と言えるのではないでしょうか。

 

中国向け越境ECを始める7つの方法

中国向け越境ECを始める方法ですが、いくつかの方法に分かれています。

 

1.中国国内のECモールへ出店

中国のEC対応モールに出店、出品するパターンです。中国のEC対応モールなので、多くの中国人が集まり売れる可能性は高まりますが、中国EC対応モールとの交渉対応や、法規制への対応が必要となるため、難易度が高いというデメリットがあります。また、現地法人を設立する必要はありません。

「天猫国際」(Tmall Global)や「海囤全球」(JD Worldwide)が有名です。

 

2.日本国内の越境EC対応モールへ出店

日本国内の越境EC対応モールへ出店、出品するパターンです。国内モールに出店するだけなので、難易度が低く始めやすい点がメリットとして挙げられます。

 

 

ただし、「越境EC・ウェブインバウンド白書2023」によると、3年以上越境ECを続けている企業は国内ECモールの利用が低いというデータもあり、手軽に始められるものの手数料やモール内での価格競争、海外向けのマーケティングが必要になる点から継続のハードルは高いと言えそうです。

 

3.現地のサーバーで中国向けECサイトを開設

中国国内のサーバーに自社サイトを立ち上げ、越境ECを行う方法です。中国国内のWebサイトはすべて登録制になっているため、自社サイトを立ち上げる際は「商用ICPライセンス」の取得を行う必要があります。

 

ただし、外国企業は商用ICPライセンスの取得が難しいため、中国の内資企業と合併した上で申請を行うなどとても高いハードルがあり、現実的ではありません。

 

4.日本国内のサーバーで中国向けECサイトを開設

日本国内のサーバーで中国向けECサイトを開設するパターンでも越境ECは可能です。懸念としては、中国の検索エンジンはBaiduがトップシェアですが、サイトの表示速度を検索順位のアルゴリズムで重視していると言われています。

 

日本国内にサーバーがあると、表示速度が遅くなるため検索順位で不利に働きます。そのため、中国における知名度を高めるなどして、SEOを必要としないマーケティングが必要になってきます。

 

5.保税区を活用して、中国の越境ECモールへ出店

中国国内で指定された保税区に予め商品を配送し、受注後に保税区から購入者の元へ配送するパターンです。日本からの配送ではなく、現地からの直送となるため、配送期間が短くなり顧客が負担する送料も低く抑えられます。

 

6.一般貿易型越境EC

一般貿易と同じように、中国の輸入者で貿易手続きを取り、輸入者が中国の越境ECモールに出品するパターンです。販売できる数が多くなる一方で、輸入者との交渉が必要だったり、中国人のエンドカスタマーの情報が見えないデメリットがあります。

 

7.購入代行サービスを活用して越境EC販売する

日本の自社ECサイトに購入代行サービスを提供する「WorldShopping BIZ」のような越境ECサービスを利用するパターンです。海外顧客対応やインボイス対応など不要となり、日本顧客へ販売・発送するのと同様の対応で越境EC化できるため、手間なく越境ECを始められるメリットがあります。

 

 

 

 

中国人が好む日本製品と情報収集の方法

中国では、どんな日本製品が好まれているのでしょうか。経済産業省の調査(※1)によると、「中国人が越境ECサイトで直近1年以内に購入した日本製品」のトップは「基礎化粧品(46.9%)」でした。続いて「メイクアップ化粧品(46.1%)」「食品(43.5%)」「マンガ・アニメ(43.2%)」などが並びます。中国でも知名度のある日本メーカーの化粧品、食品、マンガ・アニメなどが人気のようです。

 

では、中国のユーザーはどのように情報を収集して日本製品を購入しているのでしょうか。情報収集の方法としては2つ挙げられます。

 

1つ目はSNSによる情報収集です。中国では国外で普及しているSNSの利用が制限されていますが、国内で普及しているSNSは人気を集めています。なかでも「weibo」は5億2300万人(※4)、「wechat」は11億6400万人(※5)ものユーザーが利用しており、人気のSNSといえます。中国の消費者はSNS内での口コミ、評価・評判などを通じて商品購入を決めていると考えられます。

 

次に、KOL(Key Opinion Leader)と呼ばれる、SNSで強い拡散力を持つインフルエンサーの存在です。中国では「KOLが動画で紹介した商品を視聴者が購入する」という流れが定着しています。経済産業省の調査(※2)によれば、2020年時点でKOL経由でのEC市場規模は約3,000億元に達しており、拡大傾向にあります。

 

日本にも在日中国人KOLが多数存在しているため、日本に興味のある中国の消費者は、彼らの発信する情報を元に日本製品を購入しているのです。中国のKOLの紹介によって購入された商品は、トップから順に「食品、飲料(47%)」「衣料、靴(45%)」「化粧品、美容関連製品(42%)」となっています。KOLの感想が大きな判断基準となっているといえるでしょう。

 

 

まとめ:中国の越境EC市場規模は年々拡大傾向にある。事業参入するなら今!

 

スマートフォンとインターネットの普及が進んでいる中国では、越境ECを利用するユーザーも増加傾向にあります。今後も越境ECの市場規模はさらに拡大していくでしょう。規模拡大のなか、品質の高い日本製品は中国の消費者の人気を集めています。訪日経験のある中国ユーザーの口コミや、在日中国人KOLの存在も、日本製品の人気の後押しとなっているのです。市場拡大や越境ECを検討されている事業者の方にとって、今は市場参入の良いタイミングだといえます。

 

一方、中国ユーザーに対応できる他言語対応サイトを作るためには、大きなコストがかかってしまいます。コスト面でお悩みの方は、WorldShopping BIZを利用してみてはいかがでしょうか。

 

WorldShopping BIZは、自社のECサイトにタグを一行埋め込むだけで海外ユーザーに対応できるサービスを提供しています。

 

ECサイトのリニューアルや、新規ECサイトの制作は必要ありません。売上手数料や海外送料も一切かからず、月額の費用をお支払いいただくだけで商圏を海外にまで拡げられます。中国の越境EC市場に参入されたい方は、ぜひWorldShopping BIZの導入をご検討ください。

 

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※1 経済産業省「平成30年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)報告書」
※2 経済産業省「令和2年度 産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)報告書」
※3 CNNIC「第48次中国互聯網絡発展状況統計報告」
※4 「weibo」が2020年第2四半期 財務報告書で発表した月間アクティブユーザー数
※5「we chat」の運営会社「Tencent」が2019年第4四半期 連結決算報告書で発表した月間アクティブユーザー数

 

執筆者
橿村 芽久未

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