Blog WorldShoppingBIZブログ

越境ECとは|今すぐ始めるべき理由と可能性について解説

2023.03.06 /
ウェブインバウンド

越境ECとは

越境ECとは、個人や企業が現地に店舗を持たずインターネットを通じて行われる「国の”境”を”越”えて行われる”EC”サイトの取引」のことです。簡単にいえば、海外ユーザーが自国ではなく他国から商品を購入することです。

 

越境ECは、訪日客の増加に伴い注目を浴び始めたビジネス形態でしたが、コロナの影響で大きく成長した市場でもあります。外出自粛が多くの国で行われた結果、店頭販売のみを行っていたショップがECへと進出し、その結果海外ユーザーがインターネットを通じて商品を知ることができるようになったのも大きな要因です。

 

また、観光庁が公表した「2018年観光白書」によると、訪日外国人は越境ECで日本商品を買う理由として、「日本に旅行したときに購入して気に入った商品だったから」というデータが大きく、そして自身の購入以外にも影響があるというデータが出ています。

画像出典:観光庁「日本経済における存在感が高まりつつある「観光」

 

赤い線が「自身が訪日した時に買って見聞きして良かったから」のデータで、黄色い線が「訪日した知人から貰って買って見聞きして良かったから」というデータです。帰国後に知人友人に口コミで広げ、それを聞いた人が越境ECで日本から商品を購入しているということが分かります。中国人の場合、6割近い人が訪日がきっかけとなり、韓国人は6割を超える人が訪日がきっかけとなり日本製品の購入へと繋がっています。

 

このように、訪日客が今後復活し、今まで以上に伸びることで、越境ECにはポジティブな影響があると言えそうです。

 

越境ECの世界市場規模は2027年に658兆円に成長

越境ECの市場規模は年々増加しています。下記は様々な統計データを発表しているZion Market Researchが2019年に発表したデータです。

画像:ZION Market Research 発表データをもとに弊社作成

 

国境を超えたEC取引が急速に成長し、2020年9,123億USドルだった越境EC市場の規模は、2027年には4兆8,561億USドル(658兆円=1ドル130円計算)まで拡大すると予測されています。成長率にすると8年間で5.3倍になると予測されています。

 

コロナ禍によるショップのEC進出、インターネット環境の普及、中国とアメリカの消費者を中心とした購買意欲の高まりなどから、引き続き世界の越境EC市場は伸びると考えられています。

 

参考:【2023年最新版】越境ECの市場規模について

 

 

越境ECのメリット・デメリット

越境ECには、メリットばかりでなく、デメリットも存在しています。しっかりと把握した上で実施するべきか判断しましょう。

 

越境ECのメリット

1.新しい市場を開拓できる

越境ECを実施する上で、これを目的にするショップも多いでしょう。新しい市場に参入することによる新たな顧客を獲得できるというのが大きなメリットになります。日本だけであれば、多くても1億人程度がターゲットになりますが、中国であれば14億人がターゲットになります。アメリカであれば3億人と、顧客になり得る人口数にかなり差があります。

 

2.出店が容易

越境ECはインターネットを通じているため、実店舗を出店するよりも圧倒的に安価にチャレンジすることができます。もちろん越境ECの中にもいくつも種類がありコストもそれぞれ違うので、自社にあった方法を選択して挑戦することができます。越境ECの種類の違いについては後述する「越境ECを実現する手段6選」をご確認ください。

 

3.訪日インバウンドに伴い購入が期待できる

2019年には約3,200万人いた訪日客ですが、コロナの影響もあり2021年には20万人程度迄落ち込みました。2023年コロナが落ち着き、訪日インバウンドが復活する年と呼ばれています。前述した通り、訪日した観光客は帰国後に、日本の商品を購入するだけでなく、口コミで友人知人に広め、それを聞いた人も越境ECで商品を買うというデータがあります。

 

越境ECのデメリット

1.輸出に伴う対応が発生する

輸出をすることになるので、当然相手先の国や地域の法規制に対応しなければいけません。国ごとに異なる法規制を理解し対応するのはとても大変です。また、海外顧客の個人情報を預かることになるため、取り扱いについて厳しく対応する必要があります。

 

2.顧客サポートの工数

海外の顧客への販売をすることになれば、当然お問合せも異なる言語で届くことになります。お金が関わる問合せなどは間違ったことを伝えるわけにもいかないため、翻訳の難易度が上がることも考えられます。

 

3.不正決済のリスク

海外発行のクレジットカードを利用した「チャージバック」と呼ばれる不正決済のリスクも存在します。購入者が利用代金の支払いに同意しなかった場合、クレジットカード発行会社が決済を取り消し、返金が発生するというリスクです。商品は発送しているため、商品も戻らず損害になります。

 

越境ECを実現する手段

越境ECといっても、種類は複数に分かれています。前述した通り、越境ECには現地の法規制への対応、インボイス対応なども考える必要があります。自社のフェーズにあった方法を正しく選び実行することが重要です。大きく分けると以下の手法に分けることが出来ます。

 

1.海外向けの自社ECサイト

日本向けECサイトとは別に、日本国内に越境ECサイトを立ち上げるパターンです。日本で運営しているECサイトに対して、販売したい国や地域を対象にページの表示言語や決済方法を用意し、海外ユーザーにストレスが無いように作り込んでいき、越境ECに対応していきます。

 

最近では、多言語、海外決済に対応しているECプラットフォームもあり、それらを活用して比較的簡単にオンラインショップを構築することもできます。

 

自社ECサイトを構築するメリットは、モールなどに比べて手数料が低いことがあげられます。ECカートの決済手数料や、ECプラットフォームの利用料だけで済むため、売れるようになればコストを圧縮して運営をしていくことができます。また、デザインなども自分たちで決めていくことが出来るので、ブランディングなどの毀損もありません。

 

デメリットとしては、集客を自分でしていかなければならない点があげられます。ECモールなどであれば、成約手数料は取られますがECモールのユーザーにアクセスしてもらいやすいため、売れやすい環境になっているといえます。

 

2.日本国内の海外対応ECモールへ出店

国内の越境ECに対応したECモールに出店、出品するパターンです。日本のECモールに出店すれば良いので、難易度は低いです。また機械による自動翻訳機能があるモールもあるので、とりあえず始めてみたいというショップにおすすめです。

 

 

ただし、「越境EC・ウェブインバウンド白書2023」によると、3年以上越境ECを続けている企業は国内ECモールの利用が低いというデータもあり、手軽に始められるものの手数料やモール内での価格競争、海外向けのマーケティングが必要になる点から継続のハードルは高いと言えそうです。

 

3.海外のECモールへ出店

販売したい国のECモールに出店、出品する越境ECのパターンです。例えば、中国の天猫国際(T-MALL GLOBAL)、京東商城(JD.com)、考拉海購(Kaola)、タオバオ(淘宝)、欧米のアマゾン(Amazon.com)、イーベイ(eBay)、メルカリ(mercari)、台湾のPChome(PCホーム)、東南アジアのショッピー(Shopee)、ラザダ(Lazada)、韓国のG-market(Gマーケット)などが有名です。

 

海外ユーザーがすでに多く集まっているECモールへ出店するため売れる可能性が高まりますが、現地ECモールとの交渉が発生し、現地への法規制の理解および対応が発生するため、実施までのハードルが高いという特徴があります。このサポートをする代行会社も存在し、こちらを利用する場合費用が発生します。

 

4.現地倉庫・保税区を活用して販売

海外の倉庫や海外ECモール倉庫などに予め自社商品を輸送し、受注後に倉庫から配送する越境ECのパターンです。有名なのが、AmazonFBAなどがこのパターンです。日本からの発送ではなく、現地からの発送となるため、直送よりも配送期間が短くなり、海外顧客が負担する送料も低く抑えられるメリットがあります。

 

5.購入代行サービスを活用して販売

日本の自社ECサイトに購入代行サービスを提供する「WorldShopping BIZ」は、自社サイトに設定するだけで、海外顧客からの問い合わせ対応やインボイス対応、海外配送などが不要となり、日本顧客へ販売・発送するのと同様の対応で越境EC対応できるため、手間なく海外販売を始められるメリットがあります。

 

海外ユーザーはその商品が本物なのかどうかをとても気にするため、本物を間違いなく購入したいユーザー公式サイトへ訪れていますが、多くのECサイトは海外住所への発送に対応していないため、その販売チャンスを取り逃がしていることが多いです。「WorldShopping BIZ」のようなサービスを公式サイトに導入することで、このような機会損失をなくすことが出来るようになります。

 

参考:WorldShoppingBIZ 導入事例

 

自社ECサイトで越境ECをする際にぶつかる3つの壁

自社ECサイトは商品のブランドサイトとなりますが、日本の商品を求める海外顧客は日本のECサイトを見に来ているケースも多いです。海外のECモールなどは偽物が存在し、偽物を買いたくないというユーザーは多いです。しかしそんな思いを持って日本の公式ECサイトを訪れた海外ユーザーは購入までに3つの壁が邪魔して購入ができません。その3つの壁について解説します。

 

1.言語の壁

本物を買おうと公式ECサイトを訪れた海外顧客が、ぶつかるのが言語の壁です。

  • 日本語で表示されている商品ページ
  • かな入力フォーム
  • 問い合せも日本語のみ

商品ページは機械翻訳で翻訳出来たとしても、かな入力フォームは対応できず、問い合わせも日本語のみで結局買えずに断念してしまう海外ユーザーが多く存在します。

 

2.物流の壁

ECサイト側がぶつかるのが物流の壁です。海外発送には対応しなければならない手順が国内発送より多く存在します。また、海外送料は国内送料よりも複雑で設定も大変です。そして発送の段階では、国際物流に必要な書類の用意もしなければなりません。他にも国によって禁制品が異なり、発送してはいけないものが存在します。そして海外発送時の梱包方法の問題もあります。

 

3.決済の壁

海外顧客がよく使う海外発行のクレジットカードを使えるようにすると、不正決済のリスクも高まります。チャージバックが発生した場合、その損害を被るのはショップになります。他にも決済方法を増やすとコストが掛かるという問題もあります。

 

参考:越境ECにおける用意すべき決済手段とは

 

越境ECの成功事例

日本企業による越境ECの成功事例を紹介します。

 

海外ECモール活用事例

美容機器ブランドの「ヤーマン」

美容機器ブランドの「ヤーマン」は、中国最大のECモールである「天猫(Tmall)」のセールイベント「独身の日」で、電子美容機器の販売・売上シェアで5年連続1位を記録しました。

 

背景には、「コロナ禍で在宅時間が長くなり、美容健康機器というカテゴリが非常に好調となった」「多種多様な製品ラインナップが顧客のニーズにマッチした」などが挙げられます。しかし何よりも、現地代理店との協働によりTmall内でライブコマースを配信し、視聴者とのコミュニケーションを強化したことが功を奏したといえるでしょう。

 

 自社サイト活用事例

「食品サンプル」を販売する「Fake Food Japan」

また、自社サイトにおいてユニークな商材で勝負している例としては、日本でレストランなどに陳列されている「食品サンプル」を販売する「Fake Food Japan」があります。食品サンプルを使ったキーホルダーなどが来日した外国人観光客にお土産として人気でしたが、越境ECサイトで直接海外から注文を受けています。

 

日本に旅行に来る前にSNSなどで知ってECで買う、訪日後に実際に見て店舗で買う、旅の後に思い出してECで買うなど、様々なきっかけで国内のECサイトを海外のユーザーは見てくれています。

 

越境ECをまず手軽に始めてみよう

越境ECは国内市場が縮小傾向の日本にとっても商圏拡大の手段の一つであり、ますますニーズが高まることが予想されます。

 

もし、すでに国内向けECサイトを持っていて、海外販売には挑戦したいけど難しそう…と感じているなら、WorldShopping BIZ」の越境ECサポートがおすすめです。

 

WorldShopping BIZは、注文受付~海外配送、カスタマーサポートまですべてを任せることができる購入代行サービスです。サービス導入の際は、自社のECサイトにタグを一行埋め込むだけ。自社ECサイトを、海外向けに対応できます。

 

売上手数料や海外送料は一切かからず、月額費用をお支払いいただくだけでご利用可能です。

 

 

越境ECをお考えの方は、ぜひご検討ください。

 

 

▶︎「WorldShopping BIZ」:資料請求はこちらから可能です。

 

 

▶︎越境EC・ウェブインバウンド®︎についてさらに知りたい方は

無料ダウンロードが可能な「越境EC・ウェブインバウンド®︎白書」をご覧ください。

 

 

▶︎「WorldShopping BIZ 少人数制 定期オンラインセミナー」

毎週【火曜日11:00~】と【木曜日15:00~】の2回制にて
少人数制の無料ウェビナーを開催しています。

インタラクティブ形式で、個別のご質問や運用面での悩みにもしっかりお答えします!
ご興味がある方はこちらからお申し込みください。

執筆者
Law(青木 哲郎) 株式会社ジグザグのBtoBマーケティングマネージャー。セミナー企画から記事執筆までBtoBマーケティング全体を企画、実行しています。

資料請求・お申し込みはこちらから

資料請求 お申し込み